人はなぜ会って話すのか【会って話すこと(田中 泰延) 】の名言/格言｜人生を豊かにするために、自分をもっと知るための短い名言/言葉の力

文章を書く時の最初にして最後の心構え「正直であること」が、会話においても同じように重要ではないかという考えに至った。

対話では、話し手のどちらも、自分がすでに知っている知識や情報を共有しようとはしない。むしろ、二人の人間が何かを協力して作るとった方がいいだろう。

ツイストパーマ。全く想像できないですね。というかどんな髪型かも想像できない。逆に言えば、どんな髪型でも想像できる。

すみません、少々お待ちいただくことをご了承願う気持ちもありながら、それをご承諾いただくことは可能だったりしますでしょうか？

他人の話を聞くということは、ここまで注意されて訓練を積まなければできないことなのだ。これは「結局、人間は他人の話を聞きたくない」ということではないか。

ほとんどの人が会うなり自分の事情を話し始める。

モテる人、人望のある人、お金持ちの人、話をよく聞いて見てほしい。そういう人は、「この人、自分の事情ってないだろうか？」と思うような話題で会話をスタートさせている。

ちょっとした「知っていること」を言えばいいのだ。相手を感心させようとか、知識をひけらかそうというのではない。 

なぜ人は勉強する必要があるのか？それは世の中の「おもしろい会話」「楽しく盛り上がる話」のほとんどが「知識」をベースにしているからである。

そういう話を散々するのは、お互いのことを知ろうとするのは、付き合う前でしょう。いざ契約を交わした後は、「どうでもいい話」をするでしょう。仕事の愚痴とか、駅前で喧嘩してる酔っ払いのこととか。 

みんな、誰かのプロ並みの美声を聞きに行くわけじゃなくて、自分が歌いたいからカラオケに行ってるわけでしょう。

つまり、多くの人は、本当は自分が相手に興味を持っていなくて、自分も相手に興味を持たれていないという現実を直視したくないんだと思います。

「関係ありそうな、なさそうなこと」を話そう

対話の目的は、物事の分析ではなく、議論に勝つことでも意見を交換することでもない。いわば、あなたの意見を目の前に掲げて、それを見ることなのである。

人は「意見」をいくら述べても賢くならない。また、人の意見に意見をぶつけても賢くならない。

関係ありすぎる返しをする人は、偉そうと思われたり、喧嘩になったり、自体を面倒にする。関係なさすぎる返しをする人は、バカと思われたり、喧嘩になったり、事態を面倒にする

ちょっとした知識や、「話はちょっとずれますが」で話を明後日に持って行く、話をそらす力が会話の力なのである。

ボケとは、今目の前にある現実世界に対する、別の視点からの「仮設の提示」なのである

実は、「ツッコミ」は漫才や落語などの「舞台演芸場の職務」であって、現実の会話には全く必要がない。

「褒める行為」も「マウンティング」の一種だからである。

それら上から目線の高評価は結局、「超つまんない」「くだらない」「おもしろくないね」などの裁定を下す行為とワンセットなのである。

あなたが他人に対してすべきは、さらにおもしろくするように話をつなぐか、できそうにないなら「ただ笑う」それだけで良いのだ。

理想の会話とは、ボケにボケが重なって、もはや何について語っているかわからなくなる状態であり、会話の参加者全員が「今、何の話をしてたんだっけ？」という状態になることである。 

生半可な知識を振り回さず、あまり知らない自分を、正直に相手に差し出そう。

私が子どもに「しつけ」をしたくなる瞬間って、私の常識外の行動を取った時なんですよ。

先生や親に言われたことを通して、「自分は社会常識を身につけたぞ」っていう子、知恵を持った子から、順番にツッコミに回っていきますね。

人間が受ける印象や、相手に抱く好意というのは、要約できるような知見や知識や主張からくるものではない。むしろ細部にある。

言葉を交わせば必ず傷つくっておっしゃったでしょう。「好きです」っていう言葉はその最たるものだなと。「私も好きです」という返答以外全て傷つきますよね。

結局「絶対に会って話をしないとまずい」という人には何としてでも会っていませんか？つまり、オンライン時代というのは、人間が他人を区別していることがはっきりした時代なんですよ。

人間が自分の顔を見ながら他人に話しかけることがあっただろうか。それもまた、妙な自意識につながって話しにくい原因の一つだ。

ある人間に感じる人間らしさや、愛情の本質は、実は沈黙にあるのだ。沈黙する肉体の中で、人間の真の価値が育まれると言ってもいい。

なにを言わないか、である。

深いところで人間と人間とがつながる理由は、何の役に立つかわからないが抱えていた知識だ。自分が心から好きななにかであったり、自分自身の遠い記憶であったり、そんな遠い日の「仕入れ」が誰かの記憶と響きあうことなのだ。

他人と話す前に、「自分と話せ」ということだ。まず、自分自身が自分と会話できなければ、他者と会話することはできない。

「教養のある人物」を私なりに定義すると、「私は何も知らない。世界はこんなにも広くてわからないです。そして我々は最後は死んじゃいます。なので今、少し笑いましょう」と感じさせてくれる人ではないだろうか。

自分と相手の間にある孤独。それを認めた時に会話は始まる。違う人と、同じものを見た時、二人の間に、何かが生まれる。

ただ、自分の人生を振り返ると『その人といる時の自分が心地よい』と思える相手がいて、そういう人との会話はやっぱり幸せな時間になるんですよ。

そういう『あなた』が持っている要素の一つが、『機嫌が良いこと』だと思うんです。だからこそまずは自分ができるだけ機嫌よくいたいんです。

おかしいやつだなと思ってもらったほうが、不機嫌なやつだなと思われるよりはるかにいいんです。

みなが不機嫌な状況に陥ったら、せめて自分1人でもさっさと立ち去る。ことである。

人との距離の取り方のおかしさの多くは『欲を出す』ことに問題がある

やっぱり自分は一人で、どこまで近づけた気になっても違う人間で、いくら言葉を交わしても分かり合えない。 

他人と関わることに絶望して、それでも他人と関わりながらいきて行くことを引き受けた後で見えてくるものが、私とあなたの間にある風景だと思うんです。