







感謝をうまく伝えるコツは「結果」でなく「過程」に感謝することです。
いきなりこれだけ言われても「?」となっている方も多いと思いますので、詳しくみていきましょう。
目次
感情を伝えることは難しい
たろうさんの今回の事件のように、相手に自分が感じている感情を正しく伝えることは本当に難しいことです。「わかってくれていると思ってた」「伝わっていると思っていた」のように、後から伝わっていなかったことを知る経験って、歳を重ねるごとに増えたような気がします。
それもそのはずで、同じ言葉/同じ事象であっても受け止める人によって全く違う伝わり方をするからです。
先日、勤め先で様々な部署が関わる形でセミナーを開催することになりました。第一回のミーティングが終わった時点で、何か嫌な予感がしたので、やるべきタスクを書き出して、それぞれのタスクをどの部署が担当するのか認識合わせをしました。すると、各々全然違う役割分担を想像していたのです。
仕事のように、明確にタスクとして分解できるようなものであれ、明確に伝えない場合には認識の齟齬が起こります。
それが、感情のような抽象的で曖昧なものの場合だったらどうでしょうか。仕事よりも圧倒的に伝えるのが難しいことが容易に想像つくと思います。
ただ「ありがとう」や「すみません」と感情を伝えればいいのか?
感情をしっかりと伝える事の難しさわかり、しっかりと自身の感情を伝える事の重要性がわかったと思います。
しかし、ただただ「ありがとう」「すみません」「反省しています」などと言えばいいのでしょうか?たろうさんが実施していましたが、どうやらこれではうまくいかないようです。
逆の立場になって考えてみてほしいのですが、仮にあなたがそのような言葉を繰り返す人と対峙した時どのように感じるでしょうか。「ありがとうと言ってくれるだけまし」なんてこともあるかもしれませんが、この人は本当にそのように思っているのかな?と感じる人も少なくないと思います。
ではどうすれば良いのでしょうか?
「感謝できない人」と思われないためには「結果」でなく「過程」に感謝をする
「ありがとう」「すみません」「反省しています」は飽くまで結果への感謝/反省でしかありません。
言っている側からすればそんなことはないかもしれませんが、言われている側からすればそれ以上の感情を読み取ることは非常に困難です。とすると、「この人は本質的には何もわかっていないかもしれない」と相手は少しずつ疑心暗鬼になるのです。
ですから、私たちは「結果」への感謝でなく、「過程」への感謝をしなくてはなりません。「過程」に感謝をするというのは具体例を見ていきましょう。
例1:料理を作ってくれたパートナーに感謝を告げる
結果への感謝

過程への感謝

例2:仕事でミスをして上司に迷惑をかけてしまった
結果への反省

過程への反省

どちらが相手に感情を正しく伝えることができそうでしょうか?
「過程」に感謝するというのは、相手の立場になって考えてみるということ
「結果」への感謝というのは、どう考えているかはさておき、相手からすると非常に表層的にしか感じられなかったり、感情が見えにくかったりします。
ところが起きた結果の「過程」に対して想いを巡らし、それを言葉にすると例のように全く違った印象になります。
こんなに印象が変わるのはなぜでしょうか?
「結果」から「過程」を想像するということは、相手の立場になって考えてみることだからです。
もしかしたら見当違いになることもあるかもしれませんが、自分の立場になってそこまで考えようとしてくれたあなたのことを改めて信頼してくれるはずです。
感謝や反省だけでなく、相手の行為や結果などに納得がいかない場合なども、相手がどんな「過程」を経てそのようなことをしたのだろうと想像するだけで、見えてくるものもたくさんあります。言葉にするまではいかなくても、「過程」を想像してみる癖をつけて見るだけで、人間関係はよりいい方向に進むでしょう。
あと、余談ですが、やっぱり表情豊かに伝えるだけでも伝わり方がガラッと変わりますので、そこの意識も大切にしておきましょう!