資本主義が生んだ幻想【怠惰なんて存在しない】の名言/格言｜人生を豊かにするための短いコトバ

問題を抱えすぎて困っている人が怠惰に見えるのはなぜだろうか。
理由の1つは、人の苦しみはたいてい外部からは見えない、と言うことだ。

こうした偏見や非難は他人に向けられるだけではない。私たちは自分のことも理不尽に責めている。自分に対して、途方もなく高い要求をしがちなのである。もっと頑張らなくちゃ、休むべきではないし、欲求は抑えるべきだ、などと考えてしまう。

子どもや10代の若者と将来のことを話す時、大人はたいてい「何になりたい？」と尋ねる。言ってみれば、社会や雇い主に対してどんな価値を提供したいかを聞いているわけだ。「何に熱中しているの？」とか、「どんな時に幸せや安らぎを感じる？」などと聞くことは少ない。

大人になると、人は職業で識別される。「あの人は俳優」「この人は葬儀屋」といった具合に、他社に提供するサービスで人を分類しているわけだ。

働きすぎの人に何十人も会って話を聞いてきたが、ほぼ全員がこうした恐怖心を抱えていた。誰よりも長時間働き、疲弊し、心身の健康を損なうくらいまで「はい、やります」と答え続けてきた人たちが、実は自分は「怠惰」なのではないかと不安を抱えているのだ。 

「頑張れば頑張るほど、より善い人間になれる」と「怠惰のウソ」はとくけれど、どこまで頑張ればいいのかの合格ラインは決して示されない。目標地点を動かし続けて、人の弱さや欲求を許容することはない。どこかの時点で必ず失敗するよう、あらかじめ設計されているのだ。

「怠惰のウソ」によって私たちは、あれもこれもやらねばならないと思わされ、ゆっくり穏やかに生きることが怖くなってしまった。

ピューリタンの間では、勤勉さは「神に予め救済の対象として選ばれた証し」と考えられ、勤勉に働けばより善い人間になれると信じられていた。逆に、目の前の仕事に集中できない、あるいはやる気のない場合には、地獄に堕ちる運命にある証拠だとされた。

「怠惰」を軽蔑し罰する価値体系は、さまざまな理由により強く支持され、政治的にも利用されていった 

この教義では、苦難は神から与えられたものであり、奴隷は素直で従順でなにより勤勉であれば天国で報われる、とされた。逆に言えば、奴隷の働きが悪く「怠惰」であれば、それは堕落であり本人の過ちとされる。奴隷主は、奴隷をできるだけ働き詰めにして疲弊させ、反乱や暴動を起こす余力を奪おうとした。

この時代のプロパガンダには、「貧乏な労働者階級は勤勉に働かせておかなければ、犯罪や薬物に手を染めるようになり、社会が破綻する」と言うものが多い。

人気インフルエンサーと同等の努力をしたが報われなかったケースや、その結果全てを失った事態はメディアでは報道されず、視聴者に認識されない

テイラースイフトは「夢は叶う」とか言うけど、そんなの宝くじの当選者が「全財産を溶かして突っ込めよ！当たるから！」と言っているようなもんだからね 

今の教育システムは産業革命期にできたもので、工場労働者た倉庫作業員をトレーニングする前提で設計されている

自分より若くして成功している人を見ると、私も同じような気分になる。自分の業績を他人と比べて順調かどうか定期的に確認するよう言われてきたので、自分より「先をいく」人を見かけると不安になった。

「時間の無駄使い」は人間の基本的欲求だ。この事実を受け入れて、健やかで楽しく、バランスの取れた人生を始めよう。自分の「怠惰」な本性など恐れなくて良いのだ。