【世間とズレちゃうのはしょうがない(伊集院光 /養老孟司)】の名言/格言｜人生を豊かにするために、自分をもっと知るための短い名言/言葉の力

ゲーム中毒と言うけれど楽しいことは多かれ少なかれ中毒になるものですよ

かみさんとは会話をしてるんだけど、「今からお話をしましょう」と言ってる時の「お話」がさしている言葉の意味が実は全く違うんじゃないかと。

僕がこの仕事で学んだことは、分からないときに「分からないんですけど」と言っても、相手の方は怒るどころか、よりちゃんと話そうとしてくれるということですね。

僕らは死体に関していつも曖昧な何か、どうしていいか分からない何かを持っているけど、少なくともポンと捨てちゃいけないとは思っているんだと思います。

日本の世間は、死んだ人に対しては、生きている時の資格を剥奪しますね。仲間から外すんですよ。

「お清め」と書かれた小さな袋です。中に塩が入っていますね。昨日までお見舞いに行った時は何もする必要はなかったのに、死んだ途端にお清めの対象になるんですよ。

モノとは何か。僕の定義は簡単です。対象を五感の全てで捉えられるときに、それを「モノ」という。

都会に住む現代人は、感覚を通して世界を受け入れないからです。意味を持った情報を通して世界を理解するんですね。だから意味のないもの、分からないものを徹底して排除しようとするんですよ。 

人の意識は「主人公になる」んですよ。意識が全てを支配していると思っている。

酸素量を測れば使ったエネルギーがわかります。当然、起きている時の方がエネルギーを使うと思うでしょ。でも同じなんですよ。意識があってもなくても脳はちゃんと働いている

「熱力学の第二法則」で、宇宙はどこかに秩序が発生した時は、必ずどこか別なところで同量の無秩序が発生するんです

100%にならないことをおもしろいとするのか、きりがないとするのか

『先生、脳のことは今どのくらい分かっているんですか？』これ、どこかで100%分かると思っているんだよ。全部わかるわけなんかないのに。

ある日突然、勉強が嫌になったんです。それは『勉強をすればするほど達成度のパーセンテージが下がる』と思ったんです。

親父に『戦争が終わったとき、嬉しかったの？』と聞いたら、嬉しいとかよりもっと凄いことなんだと。『おまえ、今まで習ってきた教科書が全部ウソだと言われたらどう思う？』

究極の話芸なんてとても、と思うんですけど、とどかないと思っていても進んだ先にしかない境地はあるはずなんです。

サンドウィッチマンがトップに躍り出たのは『人を喜ばせたい』という素朴な原点に彼らが立ち返ったからのような気がするんです。

僕が学校を辞めたのは、勉強という世界はゴールが逃げていくってことかなと気付いたからで間違いないです。

生き残りたいというよりも、死にたくないんでしょうね。

虫が好きだというのは多分、嫌いと対になっているんですよ。だから虫が好きな分だけ今度、クモ嫌い、ゲジゲジ嫌いになる。そこでプラスマイナスゼロになるわけでしょう。

なぜか僕の好きなものも、大嫌いなもののすぐそばにあるような

いきなり現象だけ見ると、倫理的にはすごく野蛮に見えるんだけど、科学と離れているところで実は遠回りな効率というか、直接的じゃないことも包括した効率があるんじゃないか

ノーベル賞をもらった世界中の有名な学者にあって、『科学は世界を解明するか』という簡単な質問をしているんです。結局、答えの九割九分が『解明するわけねえだろ』

プロ野球選手より速い球を投げるピッチングマシンができると、『1人で練習ができる』と歓迎しているのに、『AI棋士がいるといい練習相手になる』とはあまりならず『機械は人間の頭脳にだけは買ってくれるな』と思っている。

当然起きている時の方がエネルギーを使うと思うでしょ。でも同じなんですよ。起きていても寝ていても、意識があってもなくても、脳はちゃんと働いているんですよ。

意識というのは『秩序活動』といって、完全に無秩序なことができないんですよ。ランダムなことができない。

脳は意識があるときは秩序のある活動をして、意識がないときは秩序的ではない活動をしているんです。意識が脳を全て支配しているわけではないんですよ。

『子供のころって残酷だから、よく虫なんか殺したりしたよね』と二人で笑って話している時に、相手が『そうそう、猫とかさ』と言った時、急に笑いが消える。あれだけ笑ってたのに逆に恐怖です。

世間が『こいつは世間の敵です』と決めた時の炎上の仕方ってすごいじゃないですか。『仕方ないな』と自然に諦めていたり、受け止めたりするガス抜きするところが一切ないから。

『他人に迷惑はかけない』『苦労したら報われる』『我慢した分幸せになれる』みたいな価値観がずっとありましたよね。つまりこれで美徳とされてきたことが思いっきり変わり始めたように思うんです。 

まさか安定を選んだ彼の方な生活を保障されなくなるなんて誰も思っていなかった。

若い時は自分を認知してもらうのが大切だけど、そのうち自分の限界も分かって、さらに老化も始まるから、ちゃんとコミュニティを作っていくことが必要になる

結果『他人に優しくなる方が得』ということになるんじゃないかな。損得だけで考える人が究極に損得を考えるときに、実は僕たちが優しさとか愛情とかに似たものに近づく、というか近づいてくれと思っています。

大丈夫です。どうせ死ぬんだからさ。

年齢がいくに従って、どんどん度胸が据わっていく理由でしょうね。まだまだ世間への執着があるけれど、どのみちいつかは世間から離れることになるわけですからね。

猫を見てくださいよ。その辺にひっくり返ってゴロンと寝てるでしょ。「何だよ、こいつ」となごんじゃう。

人間の世界はつい「ああしなきゃ、こうしなきゃ」となるけど、猫の顔を見てると「本当にそうなのかな。あれでも十分に生きてるよなぁ」となっておもいつめるているのが溶けちゃいます。

僕が企画を作るときのコツが1つありまして「世の中で不便なものが便利になった時に、振り落とされたものは何か」と考えるんです。

不便は半分楽しみなはずだと。便利にするのを世間が創造的だと思っているのなら、趣味の世界では不便を楽しんでいくほうが創造的だなと思うんです。

最終的に論文にするときは、一番良く撮れている一枚を出すでしょ。それって、言ってしまえば嘘でしょ。だから面白くないんだよ。プロセスを全部取っちゃうから。

「楽をすることは悪いこと」とずっと洗脳されてきた感があって、そこから抜けられないんです。

特にスパルタの恐ろしいところは、それで死んでしまう人がいるところですね。死んだり壊れたりした人間は指導者にはならないから、変えられないじゃないですか。そうすると延々と続いていくんですよね。

もともと120までやる人に「120やれ」というと、やりすぎて壊れてしまう。本当は素質があったり、真面目な人ほどダメになっちゃうんです。

一所懸命きちんと教えていたって、全部なんて覚えていないし、理解もしていないですよ。つまんでいるだけ。でもそれでいいんですよ。

ヒトが生まれて、シーラカンスが消えてしまったとなると、豊かになったのか、そうではないのか分からないでしょ。僕はいつもそれを思うんですよ。世の中が進んでいくと、みんな一律になっちゃう。それが嫌なんです。

自分と世間との関係で思いつめてしまったとき、二軸をつくることと、螺旋構造のイメージに当てはめて現状を眺めてみると、別の道が見えてくるかもしれませんね。

色々な人がいるという「実感」が欠けると、統一しようという世間になります。言葉がそうですね。いわゆる標準語だけの世界と、方言のある世界と、さて、どちらが豊かな世界でしょうか。