仕事をしていると、なんとなく急かされているような感覚になることがあります。締め切りでも、上司からの期待でもなく、自分自身が自分を追い立てているような。「もっとうまくやらないと」「なんでこんなに時間がかかるんだろう」。そんな焦りの正体って、思い返してみると、案外よくわからないことが多いんですよね。今回は、その「焦り」という感覚とすこし距離を置くための言葉を集めてみました。
目次
- 1 「しがないサラリーマンというトロッコに乗って、ときに急カーブに翻弄されつつ、振り落とされないよう、必死でしがみついてきただけだ」― 池井戸潤『七つの会議』
- 2 「冷たい水の中を震えながら登って行け。楽しむ余裕はないだろうし、激しい自分との戦いもある。」― 若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
- 3 「褒められることも滅多にないけど、「俺がいなきゃ成り立たないもんな」って自分で思えるポジションがあるから、落ち着いていられるのかなぁ。」― 澤部佑
- 4 「今日頑張りすぎると、疲れちゃうから。だから、あるがままでいいじゃないかって結論に落ち着く気がします。」― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
- 5 「人間って急激なストレスがかかった後に「ふっ」とリラックスすると脳が「ゾーン」と呼ばれる状態になって、すごいクリエイティブになる」― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
- 6 「周りの人々をコントロールしようと思っても、できません。一番いいのは、好きなようにさせることです。」― 『禅マインドビギナーズマインド』
- 7 「完全な落ち着きを得たいと求めるなら、そのときは、心を横切るいろいろなイメージに邪魔されないようにします。イメージは、起こっては消えていきます。」― 『禅マインドビギナーズマインド』
- 8 「余裕をもって周りを見て見ると、既に夏を楽しんでらっしゃる方々がいた。子どもたちです。」― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
- 9 「僕ら、「自分に起きたちょっとイヤな出来事」って隠したいし人に話したくはないんですが、他人事になると急に笑えるようになるので。1秒前の自分は別の人だと考えればいいんですよ。」― 岩井勇気
- 10 「境地開拓型は、刺激に鋭い性質を持っています。そのため、他者から急に自分の個人的領域に踏み込まれると、強いストレスを感じる」― 『内向型の生き方戦略』
- 11 この言葉たちを読んで、湧いた問い
「しがないサラリーマンというトロッコに乗って、ときに急カーブに翻弄されつつ、振り落とされないよう、必死でしがみついてきただけだ」
― 池井戸潤『七つの会議』
必死にしがみついているだけ、という言い方が、なんかリアルで妙に安心するんですよね。完璧にコントロールしようとするより、しがみつくほうが正直かもしれないです。
「冷たい水の中を震えながら登って行け。楽しむ余裕はないだろうし、激しい自分との戦いもある。」
― 若林正恭『社会人大学人見知り学部卒業見込』
余裕がないことを、責めなくていいんだと思えた言葉です。震えながら、それでも登ること自体が、すでに十分だったりする。
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「褒められることも滅多にないけど、「俺がいなきゃ成り立たないもんな」って自分で思えるポジションがあるから、落ち着いていられるのかなぁ。」
― 澤部佑
他者からの評価ではなく、自分の内側にある根拠で落ち着ける、というのはすごく地に足のついた感覚で。焦るときって、その根拠が揺らいでいるときかもしれないです。
「今日頑張りすぎると、疲れちゃうから。だから、あるがままでいいじゃないかって結論に落ち着く気がします。」
― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
「頑張りすぎると疲れる」というシンプルな事実を、ちゃんと言葉にすることが大事なんですよね。あるがまま、というのは怠けではなく、自分への正直さかもしれないです。
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「人間って急激なストレスがかかった後に「ふっ」とリラックスすると脳が「ゾーン」と呼ばれる状態になって、すごいクリエイティブになる」
― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
焦りの後に力が抜ける瞬間、あれは無駄じゃないんですよね。むしろそこからいいものが生まれることが多いという話で、なんか少し楽になった気がします。
「周りの人々をコントロールしようと思っても、できません。一番いいのは、好きなようにさせることです。」
― 『禅マインドビギナーズマインド』
仕事の焦りって、コントロールしようとすることから生まれることが多い気がして。羊に広い草地を、というたとえが、うっすらと腑に落ちます。
「完全な落ち着きを得たいと求めるなら、そのときは、心を横切るいろいろなイメージに邪魔されないようにします。イメージは、起こっては消えていきます。」
― 『禅マインドビギナーズマインド』
焦りも、考えすぎも、起こっては消えるものなんだと思うと、少しだけ手放しやすくなる感じがします。消えるのを待つことが、落ち着く練習なのかもしれないです。
「余裕をもって周りを見て見ると、既に夏を楽しんでらっしゃる方々がいた。子どもたちです。」
― 吉田 尚記,石川 善樹『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』
余裕って、特別なスキルじゃなくて、視点の問題なんだなとこれを読んで思いました。焦っているとき、子どもの遊び方をぼんやり眺めてみるのも悪くないかもしれないです。
「僕ら、「自分に起きたちょっとイヤな出来事」って隠したいし人に話したくはないんですが、他人事になると急に笑えるようになるので。1秒前の自分は別の人だと考えればいいんですよ。」
― 岩井勇気
仕事でミスしたり、焦って空回りしたりした瞬間も、1秒後には他人事にできる、というのはちょっとした救いですよね。笑えるようになるまでの時間が短くなれば、それで十分な気がします。
「境地開拓型は、刺激に鋭い性質を持っています。そのため、他者から急に自分の個人的領域に踏み込まれると、強いストレスを感じる」
― 『内向型の生き方戦略』
焦りやプレッシャーを強く感じやすい人は、その分だけ繊細な感覚を持っているということでもあって。それを欠点として扱わなくていい、という気がします。
この言葉たちを読んで、湧いた問い
Q. 焦りを感じているとき、本当に急ぐ必要があるのはどのくらいの割合なのだろう?
振り返ってみると、焦りの多くは締め切りや状況ではなく、「こうあるべき」という自分の内側のイメージとのズレから来ていることが多い気がします。本当に急ぐべき場面は、意外と少ないのかもしれないです。
Q. 仕事で「落ち着いている」と感じる人は、何が違うのだろう?
外から見ると余裕がある人も、内側で何かしらの根拠を持っているだけかもしれないです。澤部さんの言葉にあったように、「自分がいないと困る場所がある」という感覚が、うっすらと安定をもたらしているのかもしれないです。
焦りは、なくすものじゃなくて、ちょっと手放してみるものかもしれないです。震えながらでも登っていいし、時には子どもみたいに夏を楽しんでいい。そんな言葉たちでした。
