統治社会の闇を知る【1984(ジョージオーウェル)】の名言/格言｜人生を豊かにするために、自分をもっと知るための短い名言/言葉の力

その物腰にはある種の魅力を感じさせた。彼には鼻の上で眼鏡を治す癖があったが、その仕草は不思議と人に警戒を解かせた。言葉で説明こそできないが、妙に品があるのだ。

自分が人々ともに叫びながら横木を蹴っているのに気がついた。<二分間ヘイト>の恐ろしいところは、役を演じなくてはいけないことではなく、周囲との同調を避けるのが不可能なことだ。

党が押し付けてくる嘘を誰もが受け入れるのであれば、あらゆる記録が同じ内容しか伝えないのであれば、その嘘が歴史となり、真実となってしまうのだ。

統治のメカニズムには粛清や蒸発が必要不可欠だから、と言うだけでそのような事態が起きたのかもしれない。

たぶん君は、僕たちの主な仕事は新たな言語の発明だと思っているだろう。でも、全然違うんだよ。僕たちは言葉を破壊しているんだ。

ニュースピークの目的は総じて、思考の範囲を狭めることにあると言うのがわからないか？最終的には思想を表現する言葉がなくなるわけだから、従って＜思想犯罪＞を犯すのも文字通り不可能になる。

行進したり、歓声をあげたり、旗を振ったりするのは、どれもこれも腐った性欲に過ぎないの。心が幸せだったなら、ビッグブラザーだとか三年計画とか二分間ヘイトみたいな連中の寝言なんかに興奮したりするはずがないでしょう？

何もしないより、何かする方が好きな人間だからってだけさ。僕たちがやってるゲームで、こっちには勝ち目なんてない。ただ、他の敗北よりもましな敗北があるって言うだけの話だよ。

僕は死ぬのが怖いんだ。君は若いし、多分僕よりも怖いだろう。みんな、できるだけ先延ばしにしたいのが当然さ。でも、大した違いなんてありゃしないんだよ。人間が人間である限り、死ぬも生きるも同じことなんだ。

終わりは、始まりに内包されているのだ。

長期的に考えれば、貧困と無知という土台がなくては、ヒエラルキー的社会の実現は不可能なのだ。

問題は、世界の富を増やすことなく、いかに産業の車輪を回し続けるかであった。生産物は生み出さなくてはならないが、断じてその財貨を分配するわけにはいかない。そしてこれを成就させるには事実上、戦火を絶やさぬことしかなかったのである。

困窮が日常化することで、些細な特権の重要性が増大し、それにより各集団の区別がより明確になるからである。

限られた範囲の中で有能かつ勤勉であること、その上知的であることが求められるわけだが、それのみならず、恐怖、憎悪、服従、そして勝利への熱狂を支配的な感情として抱く、妄信的で無知な狂信者でなくてはならない。

最高の本とは既に知っていることを物語ってくれる本なのだ。

支配集団が権力の座から堕ちる道筋は、4通りしかない。外部から制服されるか、無能な統治が大衆を刺激して反乱を起こさせるか、不満を抱く強力な中層の出現を許してしまうか、支配者としての自信と意欲を喪失してしまうかである。

平和省は戦争に、真実省は虚偽に、愛情省は拷問に、豊穣省は飢餓に関与する。こうした矛盾は偶然でも、ありがちな虚偽の結果でもない。意図的に実践された二重思考なのだ。

現実の本質とは誰にでもわかる明白なものだと信じてもいる。自分には何かが見えているという錯覚に陥ると、君は誰もが自分と同じものを見ているはずだと思いこんでしまうのだ。

権力とは手段でなく目的なのだ。革命を防ぐために独裁制を敷くものなどいない。独裁制を確立するために革命を起こすのだ。迫害の目的は迫害だ。拷問の目的は拷問だ。権力の目的は権力だ。

服従だけでは不十分なのだよ。苦しんでもいない相手が本人の意思ではなく君の意思に従っているなどと、どう確信が持てるかね？権力とは、苦痛と恥辱を与えることだ。